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太陽光パネルがある屋根の遮熱対策とは。施工の可否と注意点、対策方法を解説

太陽光パネルは日射による輻射熱で高温になりやすく、室温の上昇や発電効率の低下につながることがあります。輻射熱は遠赤外線で伝わる熱で、体感温度だけでなく建材や設備にも影響します。そこで有効なのが、輻射熱を反射する遮熱対策です。本記事では、太陽光パネルの役割や設置のメリット・デメリットを整理し、輻射熱の課題と遮熱による対策をわかりやすく解説します。

太陽光パネルを設置するメリット

電気代の高騰、環境問題への関心が高まる中、太陽光パネルの導入が注目されています。本項目では、太陽光パネルを設置することで得られる具体的なメリットについて、わかりやすく紹介します。

省エネ効果が期待できる

太陽光パネルで発電した電力は、工場内の照明や機械の稼働に活用できます。購入電力を減らせるため光熱費の削減につながり、省エネ効果も期待できます。さらに太陽光は自然エネルギーなので、火力発電のようにCO₂などの大気汚染物質を排出しにくく、環境にやさしい発電方法として注目されています。

停電時の備えに役立つ

太陽光パネルに蓄電池を組み合わせると、日中に発電した余剰電力をためて必要な時間帯に使えるようになります。蓄電池は電力を一時的に貯蔵し、夜間や停電時にも電力供給を支える装置です。工場などではリチウムイオン電池のほか、NAS電池を採用する例もあり、災害時の停電対策としても有効です。

断熱効果が得られる

屋根に太陽光パネルを設置すると、直射日光が屋根材に当たりにくくなるため、熱の影響を受けにくくなります。さらにパネルが熱の伝達を抑えることで、断熱性が高まる副次的な効果も期待できます。発電が主目的ですが、暑さ対策の面でもメリットがあります。

太陽光パネルを設置するデメリット

太陽光パネルの設置には、省エネ・断熱などのメリットもある一方で、デメリット面も少なからずあるので、設置の際には注意が必要です。ここでは、太陽光パネルを設置するデメリットについて紹介します。

設置コストがかかる

太陽光パネルの導入には設置コストがかかります。資源エネルギー庁の資料によると、2024年に設置された事業用太陽光発電(10kW以上)の費用は平均22.6万円/kW、中央値21.5万円/kWとされています。実際の費用は規模や設置条件などで変わるため、相場だけでなく現場条件を踏まえて検討することが大切です。

気温・気候の影響を受けやすい

太陽光パネルは天候(雨・曇りなど)により日射量が変わるため、発電量が左右されます。さらに主流のシリコン系パネルは熱に弱く、高温になると内部抵抗が増えて発電効率が低下します。

メンテナンスが必要

太陽光パネルは汚れ(ホコリ、鳥の糞、落ち葉など)が付くと日射が遮られ、発電効率が低下します。特に工場は粉塵や排気の影響を受けやすいため、定期清掃と機器(パワコン・配線など)を含むメンテナンスが欠かせません。なお、FIT制度では定期点検が求められ、一般に3〜4年に1回程度の点検を怠ると契約解除のリスクがあります。

輻射熱を反射できない

太陽光パネルには厚みがあるため、外部の熱が屋根材へ直接伝わりにくくなる「断熱的な効果」は期待できます。ただし、パネル自体に輻射熱を反射する反射機能があるわけではないため、輻射熱を抑える効果は限定的です。むしろ日射でパネルが高温になると、その熱が屋根側へ伝わって室内温度を押し上げる可能性もあります。こうした熱の影響を抑えるには、太陽光パネルの設置に加えて、輻射熱を反射する遮熱対策を組み合わせることが重要です。

太陽光と熱を反射するイメージ図
太陽光パネルを載せても、暑さが消えるとは限らない

「太陽光パネルを載せれば屋根が日陰になるから、暑さも和らぐのでは」と思われることがあります。実際、日射条件によっては変化を感じる場合もあります。

ただ、太陽光パネルは“発電設備”であって、“遮熱設備”ではありません。

屋根全体を完全に覆うわけでもなく、屋根の熱が室内に影響する構造そのものを変えるわけでもない。結果として、期待したほど室内環境が変わらず、結局エアコン頼みが続くケースもあります。

さらに、太陽光パネルを載せたあとに「やっぱり屋根の暑さ対策もやりたい」となった場合、施工の自由度が下がることがあります。屋根面に機器が載ることで、作業や施工計画が複雑になるためです。

温度計を持つ女性作業員
『順番』で損をしないために考えたいこと

省エネを目的に太陽光を検討しているなら、本来はこう考えるのが自然です。

まず、建物に入ってくる熱を減らす

次に、空調の負担を軽くする

そのうえで、太陽光で発電して購入電力を減らす

消費を落としてから発電を足す。この順番の方が、工場の電力の使い方としては無理がありません。
そして、ここで効いてくるのが「屋根の遮熱」です。

屋根の遮熱で、空調効率が変わる

遮熱は、屋根が熱を持つ原因となる輻射熱を反射し、室内への熱の入り込みを抑える考え方です。屋根が熱くなりにくくなると、天井付近の熱だまりが緩和され、空調の効き方が変わってきます。

体感としては、「冷風がちゃんと効いてくる」「午後の戻り暑さが少し楽になる」など、現場で分かりやすい形で差が出ることが多いポイントです。電力面でも、同じ温度設定でも負荷が下がれば、運転時間や消費電力量を抑えやすくなります。

屋上の太陽光パネル
太陽光パネル導入前に「サーモバリア スカイ工法」

伸栄工業では、折板屋根の暑さ対策として「サーモバリア スカイ工法」に対応しています。これは、輻射熱を反射する遮熱シートを屋根に施工し、屋根から入る熱を抑える工法です。

太陽光パネルを載せる前に屋根側の環境を整えておくことで、「発電の効果を活かしやすい状態」を先につくる、という考え方ができます。

工場の省エネは設備の足し算になりがちですが、順番を整えるだけで無駄が減ることがあります。ここは見落とされやすいところです。

太陽光パネル設置済みの工場屋根

遮熱性能が高い

遮熱シートは、アルミ純度が高いものほど遮熱性能が高くなります。弊社で取り扱いを行っているサーモバリアは、アルミ純度99%の高純度アルミ箔を使用しているため、輻射熱に高い効果を発揮します。

JIS規格(A1420)に基づく熱実験から得られたデータを精査した結果、サーモバリアは厚さ70mmのグラスウールに匹敵する断熱性能を持つことが確認されています。

サーモバリアは、薄型で施工性に優れた遮熱材です。屋根・壁・床などに一枚装むだけで、外部からの熱の侵入を効果的に抑え、季節を問わず快適な作業空間を構築できます。

専門の業者が施工する

弊社は、サーモバリア施工に特化した専門会社です。一般的な内装・外装工事業者とは異なり、サーモバリアの施工を主軸としているため、施工技術や知識もこの分野に特化しています。

サーモバリアの効果を最大限に引き出すには、適切な素材選定、施工方法、そして正しい理論に基づいた技術が必要不可欠です。弊社では、建物の構造や使用環境に応じて、最適な施工プランを提案することが可能です。

スカイ工法施工後に、太陽光パネル設置が可能!
パネルからの熱による温度上昇も防ぎます
スカイ工法の施工中1
スカイ工法の施工中2
太陽光パネル設置後1
太陽光パネル設置後2

導入事例

太陽光パネル設置の為、スカイ工法施工箇所の改修施工を行いました。
スカイ工法を施工後に太陽光パネルを乗せたいとの要望が有り、スカイシートをカットし折板屋根のハゼ部分をむき出しにすることで太陽光パネルの取付金具の取付けを可能にしました。
この改修施工後、太陽光パネルを設置しました。
スカイ工法は、太陽光パネルを設置する前に施工しておけば、将来太陽光パネルの設置が可能です。
もちろん太陽光パネル工事と合わせて施工もできます。
スカイ工法を行うことで高温になった太陽光パネルの熱から屋根の温度上昇を防ぐことができます。

まとめ

遮熱が必要かどうかは、屋根材や建物の使い方、空調の状況によって変わります。
「太陽光を先に考えていたが、暑さもどうにかしたい」
「電気代の話になると、結局は空調負荷が重い」
こうした悩みがある場合、屋根側の対策を一緒に整理すると、判断がしやすくなります。
伸栄工業では、現地の状況を確認しながら、太陽光導入の計画も踏まえた形で遮熱施工の考え方をご提案できます。