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遮熱塗装の職人が負けを認めた遮熱材

近年、省エネ意識の高まりから建物の温度対策が注目されています。 断熱塗料と遮熱シートはどちらも効果的な対策ですが、それぞれ特性や適した用途が異なります。 今回は、遮熱塗装と遮熱シート(サーモバリア)の違いを、工場の暑さ対策という観点から整理します。

遮熱塗装の施工イメージ
断熱塗料とは?

断熱塗料とは、熱の移動を抑制する効果を持つ特殊な塗料です。 通常の塗料に断熱性能を持つ素材(セラミックビーズや中空ガラスビーズなど)を混ぜ込むことで、 熱伝導を遮断する機能を持たせています。 塗膜内部の微細な空気層が熱の移動を妨げ、建物内部の温度を安定させる効果があります。

市場に出回る主な断熱塗料の種類

市場には様々な種類の断熱塗料が出回っています。 水性タイプと溶剤タイプ、外壁用と屋根用、さらに用途別の特化型など多様な製品があります。 主成分によって「セラミック系」「ガラス系」「アクリル系」などに分類され、 それぞれ断熱性能や耐候性、価格帯が異なるため、用途に応じた選択が重要です。

断熱塗料に含まれる素材と特性

断熱塗料の性能を左右する主な素材は、セラミックビーズ、中空ガラスビーズ、特殊顔料などです。 これらが塗膜内で熱を反射・分散させる働きをします。 また近年では、赤外線を反射する特殊顔料を配合した製品も増えており、 断熱と遮熱の両方の機能を持たせた「ハイブリッド型」の塗料も登場しています。

断熱塗料で得られる効果とは?

断熱塗料を施工することで得られる主な効果は、室内温度の安定化、冷暖房効率の向上、結露防止、建物保護の4つです。 しかし、これらの効果には限界もあり、過度な期待は禁物です。 建物の構造や環境条件によっても効果は大きく変わるため、 現実的な効果を理解した上で導入を検討することが重要です。

断熱塗料の効果イメージ
遮熱塗装の仕組みと限界

遮熱塗料は、太陽光に含まれる近赤外線を反射し、屋根表面の温度上昇を抑える働きを持っています。

施工もしやすく、外観のリフレッシュも兼ねられるため、多くの現場で採用されています。

実際に、屋根表面温度が数度から十数度下がるケースもあります。

しかし弱点や実用上の課題も存在します。

塗膜は 経年劣化する
汚れや紫外線の 影響を受ける
反射率には 物理的な限界がある

そして何より、屋根材そのものが高温になれば、熱は屋根裏へ伝わります。

塗装は「表面温度の抑制」には有効ですが、 屋根裏に伝わる輻射熱を完全に止めるものではありません。

工場の暑さの正体は「空気」ではない

工場や倉庫で感じる暑さは、単に室温が高いからではありません。

真夏の折板屋根は60〜80℃近くまで上昇します。その熱が屋根裏に伝わり、赤外線として室内へ放射されます。

この輻射熱が、体に直接当たる。

空気を冷やしても、天井や壁が熱を持っていれば、体感温度は下がりません。

午後になると暑さがぶり返すのも、この輻射熱が原因です。

つまり問題は、「空気」ではなく「構造」にあります。

遮熱材サーモバリアの決定的な違い

サーモバリアは、純度99%以上のアルミを使用した遮熱シートです。

輻射熱を約97%反射します。ここが決定的な違いです。

塗料は 塗膜
サーモバリアは 金属反射層

塗装は屋根の外側で温度を抑えようとします。サーモバリアは屋根裏で輻射熱そのものを反射します。

熱が室内に到達する前に跳ね返すため、体感温度に明確な差が出ます。

屋根裏温度が下がることで、空調の効きも変わります。午後の室温上昇も緩やかになります。

これが、「塗装では勝てない」と言われた理由です。

サーモバリア施工後の屋根
反射率の違いが生む現実的な差
遮熱塗料の反射率は
60〜80%程度
サーモバリアの反射率は
97%

数字だけを見るとわずかな差に見えるかもしれません。しかし、屋根面積が数百〜数千㎡ある工場では、その差が積み重なります。

熱を受け止める量が違えば、屋根裏温度が変わる。屋根裏温度が変われば、室温が変わる。

そして空調負荷が変わります。

温度低減効果の実測データ比較

実測データでは、高性能な遮熱シートは断熱塗料よりも優れた温度低減効果を示すことが多いです。

高純度アルミ箔を使用した遮熱シートは太陽光の約97%を反射し、 屋根表面温度を最大30℃以上低減できます。 一方、断熱塗料の温度低減効果は一般的に10〜15℃程度であり、 輻射熱の多い環境では遮熱シートの方が即効性の高い効果を発揮します。

サーモバリア施工後の温度測定結果
耐用年数と長期的なコストパフォーマンス

断熱塗料の耐用年数は塗料の種類によって異なりますが、一般的に5〜10年程度で再塗装が必要になります。 対して高品質な遮熱シートは10〜15年の耐久性を持ち、長期的なコストパフォーマンスで優位性があります。 初期投資は遮熱シートの方が高い傾向にありますが、メンテナンス頻度や効果の持続性を考慮すると、 総合的なコスト効率は遮熱シートが上回るケースが多いです

施工方法と建物への負荷の違い

断熱塗料は既存の塗装工程と同様に施工でき、建物への追加的な負荷が少ないメリットがあります。

一方、遮熱シートは専用の固定具や接着剤での施工が必要で、屋根材によっては追加の下地処理が必要なケースもあります。

ただし遮熱シートは施工後の品質のばらつきが少なく、塗料のように施工者の技術に大きく左右されない利点があります。

遮熱は「材料選び」で決まる

遮熱対策は、「やるかやらないか」ではなく、「何を選ぶか」で結果が変わります。

塗装が適している現場もあります。 しかし、工場や倉庫のように屋根面積が広く、輻射熱の影響が大きい現場では、 より高い反射性能が求められます。

伸栄工業では、屋根構造や現場環境を確認し、最も効果の出る施工方法をご提案しています。

まとめ

遮熱塗装の職人が負けを認めた遮熱材。

それは、体感温度が変わったから。空調の効きが変わったから。結果が違ったから。

暑さは我慢するものではありません。

構造から変えることで、環境は確実に改善できます。

工場・倉庫の暑さ対策をご検討の際は、ぜひ伸栄工業にご相談ください。

現地調査から施工まで、一貫して対応いたします。