
夏になると、「エアコンをつけているのになかなか涼しくならない」「設定温度を下げても冷房の効きが悪い」「夏場の電気代が気になる」と感じることはありませんか。
エアコンの効率を考えるとき、室内機のフィルターや設定温度に目が向きがちですが、もうひとつ確認したいのが屋外に設置されている室外機です。特に工場や事業所では、室外機が建物の屋上や西日の当たる場所など、夏場に高温になりやすい環境へ設置されているケースがあります。
今回は、エアコン室外機と暑さの関係、そして遮熱によって室外機への熱の影響を抑える方法についてご紹介します。
エアコンの室外機には、室内から運ばれてきた熱を屋外へ放出する役割があります。
冷房運転では、室内機が室内の熱を集め、その熱を冷媒によって室外機まで運びます。そして室外機が周囲の空気を取り込みながら、集めた熱を屋外へ排出しています。
つまり室外機は、室内を涼しくするために「熱を外へ捨てる」重要な役割を担っているということです。
ところが真夏、室外機に強い直射日光が当たり続けたり、地面からの照り返しを受けたりすると、室外機周辺の温度も上昇します。室外機が熱を放出しなければならない場所そのものが高温になると、熱を外へ逃がしにくくなり、冷房効率が低下することがあります。
夏の屋外では、気温だけを考えればよいわけではありません。太陽からの直射日光に加えて、コンクリートやアスファルト、屋根などからの照り返しによって、室外機の周辺環境はさらに厳しくなることがあります。
設置されている
長時間日光が
当たる
コンクリートの上に
設置されている
日陰をつくる
ものがない
室外機への直射日光や輻射熱の影響を減らす方法のひとつが、遮熱材を利用して日射の熱を反射する方法です。
一般的な日除けは、すだれやよしずなどによって室外機に日陰をつくります。一方、遮熱材はアルミなどの反射性能を利用し、太陽から届く輻射熱を反射して、熱の影響を抑えるという考え方です。伸栄工業が取り扱う「サーモバリア」は、高純度アルミを使用した遮熱材で、製品仕様では反射率97%、アルミ純度99%以上の製品もラインアップされています。屋根や機械設備だけでなく、熱の影響を受けるさまざまな場所で利用されている遮熱材です。
室外機の遮熱対策で大切なのは、エアコン自体を冷やすというより、
室外機が余計な熱を受けにくい環境をつくることです。
直射日光による熱の影響を抑え、室外機周辺の温度上昇を軽減できれば、室内から運んできた熱を屋外へ放出しやすい環境につながります。その結果として、冷房効率の低下を抑えたり、エアコンにかかる負荷や消費電力を抑えたりする効果が期待できます。実際にサーモバリアを室外機の遮熱対策として施工した事例もあります。2025年に公開された工場での検証事例では、室外機1台への遮熱対策後、お客様から空調効率について「およそ10%の削減が見込まれた」と報告されています。ただし、これは特定条件での一施工事例であり、設置環境や機種によって効果は異なります。
このような課題に有効なのが、遮熱材による熱源の遮蔽(しゃへい)です。なかでも、「サーモバリア」と「フィット工法」を組み合わせた遮熱対策は、柔軟性・施工性・安全性の面で優れており、工場設備周辺に広く採用が進んでいます。
サーモバリアフィット工法は、乾燥炉や機械から放出される熱を効果的に遮断するために開発された特許工法です。この工法では、両面にアルミ箔を施した不燃シートを使用し、テント状に縫製して熱を放出する機械を囲み、熱が室内へ放出されるのを防ぎます。これにより、工場内の暑さ対策や機械設備の生産性向上が期待できます。
また、空調器の効率化・省エネにも効果があるため、作業環境の改善や熱中症対策に貢献します。
- ✓ 不燃認定取得シート
- ✓ 熱に強く厚さ0.2mm
- ✓ 縫製加工ができシートのつなぎ合わせが可能
- ✓ 熱対策、省エネ効果が期待できる
サーモバリアフィット工法は、高温の機械が原因の熱対策と省エネを実現するために開発された特許工法です。この工法は、両面にアルミ箔を施した不燃シートを使用しています。シートの厚さはわずか0.2mmでありながら、高い耐熱性を持つため、さまざまな高温機械に対応可能です。
ここは非常に重要なポイントです。
「室外機が暑くなるなら、遮熱材やカバーで全部囲ってしまえばいいのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、室外機は周囲から空気を取り込み、熱を含んだ空気を外へ排出しています。
そのため、吸込口や吹出口をカバーなどで塞いでしまうと、せっかく排出した熱い空気を再び吸い込んだり、熱を十分に放出できなくなったりする可能性があります。結果的に冷房効率が低下し、かえって消費電力が増えてしまうこともあります。ダイキンも、室外機全体を覆うようなカバーは節電対策として逆効果になる場合があると注意喚起しています。
そのため室外機の遮熱対策は、「熱を遮ること」と「風の通り道を確保すること」の両立が重要です。
ただシートを取り付ければよいのではなく、室外機の機種や設置場所、吸気・排気方向を確認した上で施工方法を検討する必要があります。
一般住宅とは異なり、工場や倉庫、店舗、事業所などでは、業務用エアコンの大型室外機が複数台並んで設置されているケースがあります。こうした設備では、一台一台の消費電力が大きいため、夏場の空調コストが経営上の負担になることもあります。特に室外機が屋上などに集中している場合、日射だけでなく、それぞれの室外機から排出された熱によって周辺温度が高くなる可能性もあります。「エアコンを新しくする」ことだけを考えるのではなく、まず現在使用している設備ができるだけ効率よく働ける環境を整えることも、省エネ対策を考える上では重要です。室外機への遮熱は、そのための方法のひとつと言えるでしょう。
工場の暑さやエアコン効率を改善する場合、室外機だけを対策すればすべて解決するわけではありません。例えば、工場の折板屋根が直射日光によって高温になっている場合、屋根から大量の輻射熱が室内へ伝わっている可能性があります。その状態でエアコンを強く運転しても、外から熱が入り続けるため、空調設備には大きな負荷がかかります。そのため伸栄工業では、室外機の遮熱だけでなく、屋根・壁・機械設備など「どこから熱が発生しているのか」を確認することが大切だと考えています。
屋根には屋根の遮熱対策、機械には機械の遮熱対策、室外機には室外機に合わせた対策を行うことで、工場全体の熱環境を改善していくことにつながります。
エアコンの暑さ対策というと、設定温度を調整したり、室内機のフィルターを清掃したりする方法を思い浮かべる方が多いと思います。しかし、室内の熱を外へ逃がしているのは室外機です。
夏場に直射日光や照り返しによって室外機周辺が高温になれば、熱を外へ放出する効率が低下し、エアコンへの負荷が大きくなることがあります。だからこそ、室外機ができるだけ効率よく放熱できる環境を整えることも、大切な暑さ・省エネ対策のひとつです。
- ✓ 夏になるとエアコンの効きが悪い
- ✓ 業務用エアコンの電気代を少しでも抑えたい
- ✓ 屋上に設置している室外機への直射日光が気になる
このようなお悩みがございましたら、まずは現在の室外機や建物の状況を確認するところから始めてみませんか。
室外機だけでなく、屋根や設備なども含め、暑さの原因に合わせた遮熱方法をご提案いたします。お気軽に伸栄工業までご相談ください。

